「姫ちゃ〜ん、そこのグレープフルーツジュースと炭酸水持って来て!」
「はっ、はい!」
裕次郎さんに呼ばれたあやなは思いっきり肩をビクッとさせた後、早足で飲みものを持ってきた。
「ど、どうぞ・・・」
「ありがとうございます」
それらを受けとり、炭酸水の方を豹牙さんに渡した。
あやなは自分で豹牙さんに渡したかったらしく、小さく「あっ」と呟いた。
聞きとれたのは私ぐらいでしょうが。
あやなはすぐには立ち去らず、緊張しつつも私を見やった。
「冴妃さん、えと、お綺麗・・・ですね」
「ありがとうございます。あやなもそのドレス似合ってますよ」
あやなの瞳と同じピンク色のバルーンシルエットのパーティドレス。
丈が短いのを恥じらう素振りは構成員たちにとって眼福だろう。
「ありがとうございます!香菜子ちゃんに選んでもらったんです。あ、香菜子ちゃんって言うのはわたしの友達で、えっと・・・」