「「「お疲れ様です総長、冴妃さん」」」


パーティ会場に入ると野太い声に出迎えられた。


「ああ、楽にしろ」

「お疲れ様です」


頭を下げる構成員たちの前を素通りし、赤いカーペットが敷かれた床を悠々と歩く。

そのまま幹部らのところまで行くと浬と裕次郎さんが緩く手を振った。



「お、やっと来た重役出勤コンビ」

「2人とも遅いから勝手に始めといたよ〜」

「そうか」

「にしても・・・馬子にも衣装ってこのことか」

「素直に可愛いって伝えたらどうですか?豹牙さんはちゃんと伝えてくれましたよ」



正確には首元にキスされただけだが、あれに可愛いも含まれていたと考えていいだろう。