心做しかいつもより香水の匂いがする気もしますし・・・あっ。


ここですっかり見惚れていたことに気づき、弁解しようと豹牙さんの顔を見たが、豹牙さんも豹牙さんで私を見て固まっていた。



「豹牙さん・・・?どこか変ですか?」

「・・・お前マジでその格好で行くつもりか」

「えぇ、はい」



もしかしてご期待に添えませんでした・・・?


そう不安を口にしようとしたが、豹牙さんの言動によってかき消された。



「これ羽織ってろ。露出が多すぎる」



肩にかけられたのは豹牙さんの上着。

途端、ハーバルノートの香りが肺を満たす。



「え、露出って・・・どこがですか。デコルテしかでてませんよ」

「そこが問題なんだろ」

「?」



それのどこが問題なんですか、と見上げると、豹牙さんは呆れたように見下ろしてきた。