装飾品はシルバーのネックレスとイアリング。去年の誕生日に自費で買ったものだ。

髪型は編み込みのみでメイクは最低限しか施さず、目尻に紫のラメアイシャドウを置いて終わった。

紫は私の瞳と同じ色だからよく映えている。


生まれてこの方ヘアメイクなんてしたことがなかったからかなり手こずったが、なんとか形になった・・・と思う。


自室の姿見に映る私を見てふぅ、と息をこぼした。まるで今日に至るまでの疲労感を身体から追い出すかのように。


そして心身ともに整えてからドアを開けると予想通りのお方が壁にもたれかかっていた。



「お待たせしました、豹牙さん」



豹牙さんに一緒に行こうと誘われたのは数日前のこと。


何でも普通の社交パーティは大概パートナーと共に参上するらしい。
今回はその形式に則ったものではないが、私を慣らすためにそう提案してくれたのだ。


今日豹牙さんの装いは暗いグレーのシャツに黒のスーツとネクタイを合わせていた。

全体的にシックな印象が豹牙さんの艶っぽさをより冗長させている。