豹牙さんはだろうな、と言いながら私の頬に手を伸ばし、強制的に目を合わせることになった。

その瞳が挑発的に煌めく。



「俺がお前を独占してんのに、解釈違いもいいところだ」



そのまま豹牙さんの顔がスっと近づいてきて──。



「っそれより資料はもう確認したんですか」



キスされる寸前に肩をグイッと押し返した。

豹牙さんはそんな私の反応を楽しむように「ああ。問題なかった」と資料を差し出した。

それを受け取ると、豹牙さんが私の頭に手をのせ、猫の毛並みを整えるように丁寧に撫で始めた。


豹牙さんの手はひんやりとしていて心地いい。

最近暑くなってきたせいでより一層そう感じる。

だからでしょうか。

もっと撫でて、もっと撫でてとついつい甘えたくなってしまう・・・──。



「冴妃」

「はい?」

「そんなに体重かけられたら撫でられないだろ」

「・・・・・・?」



体重?何の話だと首を傾げそうになったが──できなかった。