私に怯え、腰が抜けたらしい。

そんなあやなを見下ろす。



「豹牙さんは冷徹な方です。姫であるあなたとて不必要になればあっさり切り捨てるでしょう」



私の警告を受け止めたあやなは俯いた。唇を噛んで嗚咽が漏れないようにしているのだろう。

その横を、ずっと黙って話を聞いていた彼女らを引き連れて通り過ぎた。


これで恋愛脳が少しでもマシになればいいが・・・。


あやなの姿が見えなくなったところで彼女らにも厳重注意し、ようやく1人になったところで溜めていた息がこぼれた。






「こちらが今回の資料です。ご確認のほどよろしくお願いします」

「ああ」


夕食後、食器を食洗機で洗い始めたところで豹牙さんに昨日作成した資料を渡した。

表紙に書かれているのは『私立京極学園創立記念パーティ企画書』という文字。