さらさらとしたミルクティー色の髪に、きゅるきゅるとしたピンク色のおめめ。
化粧を施さずとも朱色に紅潮した頬。
眼鏡に三つ編みという地味子の代名詞のような容姿から、アイドルのような美少女へと変貌を遂げたあやなに、構成員たちは高揚感を抑えられていない。
今すぐにでも話しかけたそうにソワソワしている。
一瞬で構成員たちの心を掴んだあやなは、歓迎して貰えたことが嬉しいようで、お花が咲いたような笑みを浮かべた。
神が祝福するかのように、部屋に光が射し込む。
──【黎明】に姫が誕生した瞬間だった。
構成員たちが余韻に浸っている中、豹牙さんは興味なさげに「解散」を言い渡した。いつものように「冴妃は残れよ」と付け加えて。
皆が帰っていく中で早速あやなが囲まれているのが見えた。
この調子なら直ぐに馴染むだろう。