だが一介の姫が幹部への不満を構成員たちに垂れ流すなどあってはならない。

不満があるなら私に直接言うか少数の友達間だけで留めてくれればよかったのに、構成員たちを巻き込むなんて論外だ。

もしそれが原因で不和が生じれば最終的に豹牙さんが不利益を被ることになる。

そんなこと絶対にあってはならない。


あくまで平然と事実を教えただけだが、あやなは私に責められたと思ったらしく、目に涙を滲ませた。



「だ、だって、わたしの気持ちを知っても冴妃さんは豹牙さんと距離近かったじゃないですか・・・!定期報告会の後なんて、いつも2人きりになってますし・・・。わたしに豹牙さんの信用を得るには時間が必要ってアドバイスしてくれたのに、冴妃さんばっかりが豹牙さんを独り占めして・・・!!わ、わたしのこと応援するって言ったのに・・・!!」

「? 言ってません」



色々と突っ込みたいことはあったが最後の発言が一番引っかかった。

何の話だと首を傾げると、あやなはピンク色の双眼を見開きたじろいだ。