「私の質問が聞こえませんでしたか？」と凄むと、リーダー格である女子がおずおずと前に出た。



「この女が、その･･･身の程知らずなことをいろんな人に言っていたので、つい･･･」

「もっと詳しくお願いします」

「っ、いろんな人とはこの女が姫として癒している奴のことで、身の程知らずな発言は主に冴妃さんばかり総長と一緒にいられてずるいという内容で･･･」

「･･････。あやな、彼女が言ったことに誤りはありますか？」



これが虚偽の報告なら彼女らを罰するだけで終わるが、真実ならあやなにも問題がある。

確認のため視線だけ寄越すと、あやなはブンブンと頭を振った。

つまり彼女の言ったことは本当なのか。


･･･呆れた。


ため息がこぼれそうなのをグッと堪え、あやなと向き合う。



「残念ですが、幹部である私が総長である豹牙さんと一緒にいるのは当たり前のことです。いくらあなたが不満に思ってもそこに狡(ずる)も何もありません。その上で何か言いたいことはありますか？」



きっとあやなは嫉妬したのだろう。