「はあ、はあ、はあ」
 と、まこと。息が荒い。まことはゆっくり立ち上がった。
 「やるな」
 と、まこと。と、まことは消えた。
 「消えた」と、アルフレッド。
 瞬間、まことは、梅の後ろに現れた。
 「もらったあ」
 と、まことはいって、梅につきをいれた。しかし、梅は瞬時にふりかえり、まことのつきを受け止めると、手をパーにして、まことの腹部にあてた。
 「わあああああああ」
 まことは再び、後ろに吹っ飛ばされた。まことはまた空中ででんぐり返しして、着地した。
 「なんだ?」
 と、まこと。
 「まるで、後ろにも目があるみたいだった」
 まことはつづけた。
 「ドーム」
 と、梅。
 「ドーム?」
 まこと。
 「ブレス術で、半径3メートルにブレスを広げる。ドーム内に来た攻撃を感知し、防戦できる」
 と、梅。
 「な」
 と、まことはうめいた。
 「それって・・・・・・」 

 まことの回想。
 クジュウクリビーチ。昼間。
 まことと、父親泰山がいた。まことはシャツにジーンズ姿。父はシャツに長ズボン。
 「全然かなわねえ」
 と、まこと。
 「ははは、父に勝つには十年早いわ」
 と、泰山。
 「まあ、休憩するか」
 と、泰山はいって、まことに対し後ろを向いた。
 「すきあり」
 まことは泰山の後ろ姿につきをいれようとした。しかし、泰山は瞬時に振り向き、まことのつきをいとも簡単に受け止めた。
 「ええええええええ」
 と、まこと。まことはつきをおろした。
 「まるで後ろにも目がついてるみてえだった」
 と、まこと。
 「ふふふ、オーラ術じゃよ」
 「え」
 「オーラを半径10メートルに広げる。この範囲180度に入ったものを感知し、攻撃をすべてとめることができる」
 「な」
 回想終了。
 
 「おやじと同じだ」
 と、まことはつぶやいた。まことは消えた。
 「消えた」
 と、アルフレッド。
 と、まことは、梅の前に現れた。梅は手をぱーにして、まことに入れようとした。
 「?」
 と、梅。梅はまことのパーカーに掌底を入れていた。
 「え」
 と、アルフレッド。まことは、梅の後ろに現れた。まことは梅につきをいれようとした。間髪を入れず、梅が振り返る、そうして、まことのこぶしにぱーにした手をやった。
 「うわあ」
 まことはまたしても後ろにふっとばされた。くるっと空中ででんぐり返しして、着地した。