「ちきしょう」
 と、女子たちがたちあがり、まことに立ち向かおうとした。
 「おい」
 と、声がした。
 「え」
 と、女子。
 そこに現れたのは、髪の長い、背の高い女性だった。
 「梅さん」
 と、女子。
 「え」
 と、まことはその梅と呼ばれた女性を見た。茶色のロング。前髪は真ん中でわけ、長い。スレンダーで手足は長い。パンツスタイルだ。スマホを肩からぶら下げている。
 「う、でけえオーラを感じる」
 とまこと。
 「梅」
 「梅」
 「梅」
 と、街の人が口々に言った。
 「ワルキューレ12柱の梅だ」
 「え、梅?ワルキューレ12柱?」
 と、まこと。
 「お前、まこととかいってたな」
 と、梅と呼ばれた女性。
 「へえ、話わかんだあ」
 と、まこと。
 「よくもやってくれたなあ」
 と、梅。
 「こいつらの知り合いか」
 と、まこと。
 「私は梅・ワインという」
 「梅か」
 と、まこと。まことは身震いした。おやじやおじさまほどではないが、巨大なオーラを放っていた。
 「ただもんじゃねえな」
 と、まこと。
 「お前もなあ」
 と、梅。
 「このおとしまえ、どうしてくれる?」
 と、梅。
 「どうもしねえよ。そっちがふざけたことしてたんだろう」
 と、まこと。
 「ほお」
 と、梅。
 梅は、ぶらさげたスマホを取った。そうして、それを写メる要領でまことに向けた。
 梅のスマホにまことが写る。そうして、3桁のナンバーが出た。梅はほくそ笑んだ。
 「ブレス能力たったの306か」
 と、梅。
 「ちっ」
 と、まこと。まことはブレスレットをはずした。ブレスレットはレンガの石畳に落ちた。
 と、どん、と大きな音がして、ブレスレットはレンガの石畳を破壊し、めり込んだ。
 「おもりをつけていたか」
 と、梅。
 まことは腕を回した。
 「これで強くなったぜ」
 と、まこと。
 梅は再びスマホをまことに向けた。スマホにまことが写る。三桁のナンバーが出る。
 「ブレス能力358」
 と、梅。
 「その程度で強くなったと思うな」
 と、梅。
 「戦いだ」
 「戦いが始まる」
 「梅と不審者が戦う」
 人々がいい、まことたちから離れだした。
 梅は、女子の集団を見た。
 「お前らも離れろ」
 「は、はい」
 女子の集団が離れた。
 「おい、えっとお・・・・・・・」
 と、まことが美少年を見た。
 「アルフレッド、アルフレッド・ヴァレンタイン」
 と、美少年がいった。
 「アルフレッド、お前も離れろ」
 「わ、わかった」
 アルフレッドも離れた。