まことはタケシタストリートを練り歩いた。
 クレープ屋さんがあった。今時の女の子たちがたむろしていた。
 「うをー、これって、クレープじゃねえかあ」
 まことはうきうきした。女の子がクレープ屋さんのお姉さんにクレープをもらっていた。まことはその様子をじっと見た。そのこはほかの女の子たちと、移動した。グループなのだろう。女の子のグループは立ったままクレープを食べていた。まことはその様子を見た。まことは微笑んだ。
 まことは、クレープ屋に並んだ。前に女の子たちが並んでいた。
 「わくわくするぜえ」
 と、まこと。前の女の子たちが話していた。まことは、クレープをお姉さんに渡されている女の子をみやった。まことはいまか、いまかと待った。まことの後ろに女の子のグループが来た。女の子はぺちゃくちゃしゃべっていた。
 「うをー、女子って感じするぜえ」
 と、まこと。
 いよいよまことの番になった。お姉さんはピンクのキャップをかぶっていた。
 「いらっしゃいませえ。なんになさいますか」
 「えーと」
 まことはメニューを見た。
 (うをー、いろいろあるぜえ)
 チョコレート、メイプルバター、メイプルバターシナモン、チョコクリーム、キャラメルクリーム、チョコバナナクリーム・・・・・・。いろいろあった。
 (うーん、なんにしようかなあ)
 まことは悩んだ。
 「早くしてほしいよねえ」
 と、後ろから小声が聞こえた。
 まことははっとした。まことは振り向いた。片手を後頭部にやった。
 「あ、わりい、わりい」
 まことは笑った。
 「あ、別にいいんですけど」
 後ろの女の子はいった。
 「ああ、早く選んじまわないと。よし、野いちごクリームください」
 と、まことは元気にいった。
 「野いちごクリームですね」
 と、お姉さんはいった。
 「500円になります」
 と、お姉さん。
 まことはリュックをおろし、財布を出した。財布から500円玉を出した。お姉さんに渡した。
 「はい。ありがとう」
 まことは、リュックに財布をしまった。そうしてリュックを背負った。
 「わくわくするぜえ」
 まことは待った。しばらくすると、窓口からお姉さんが顔を出した。
 「お待たせしました」と、クレープを出した。
 「わあ」
 と、まこと。まことはクレープをうけとった。
 「うーん、いい匂いがするぜ」
 まことは、クレープをまじまじと見た。
 「あのう」
 と、後ろの女の子。まことは振り向いた。
 「あ、わりい、わりい」
 と、まことは言って、そこを離れた。
 「うわあ、これがクレープかあ」
 と、まこと。まことはクレープをはんだ。
 「おいしい」
 まことはクレープを食べていった。