深月は、プリンそっちのけで、朝からずっと持っていた大きい紙袋を渡してきた。

「ありがとう。
帰ったら見てみる」

「さて、プレゼントも渡したし、いちごスイーツ堪能しようかな!

いただきますー!

ミッチー、いちご美味しいよー!
プリンと一緒に食べるとさらに美味しいー!」

そう言いながら、秒でプリンの器を空にした彼女。

食うの、早すぎね?

女って、ホント好きだよな、こういうの。

「今日来て良かった。

俺もそうだけど、大学入学前の課題もあってさ。

深月のことだから何足もわらじ履いて頑張りすぎてるんじゃねーかな、って思って。

息抜きになれば、って思った時に深月が好きそうなイベントやってたから。

ちょっとは気晴らしになったか?深月」

「ミッチー、ずるいなぁ。

そんなこと面と向かって言われたらさ……
余計好きになっちゃうじゃん、もう」

顔を真っ赤にしながら、照れたように微笑む深月が可愛すぎて、どうにかなりそうだった。

外じゃなくて家の中だったら、絶対襲ってたな、うん。

「ミッチーはまだプリンが途中だから、大丈夫だね!
いちごカステラ買ってくるー!」

深月はそう言って、マフラーもせずにテントから抜け出そうとする。

「いちごカステラもいいけどさ。

喉と鼻風邪で済んでたからいいけど、熱でも出したらどうするの?

寒いだろ、せめてこれくらいは巻いとけ」