今は、宝月が資本に入っているホテルのレストランでイタリアンのコースを楽しんでいる。

コースの最後のデザートも食べ終えた頃、自然と話は学生らしく、進路のこととなった。

「皆決まって、良かったよな」

「ホントそうね。
まぁ、無茶しそうな人が数名いるけどね。

それぞれにパートナーさんがいるから、上手くいい塩梅でやっていくでしょ」

椎菜こそ、無茶しそうで心配だ、という言葉は口にしないでおいた。

あまりここで、俺が心配しすぎるのも良くない。

今は、まだ椎菜は俺の家族ではない。
まだ赤の他人なのだ。

「大学入って落ち着いたら、いつか皆で同窓会とかいいなぁ。
その前に、成人式で集まるのが先か」

ホテルのレストランの窓からは、先程俺と椎菜が散々アトラクションに乗った、テーマパークが見える。

「ありがとうね、麗眞。
麗眞が横にいてくれたから、頑張れた部分がたくさんあって。

隣に居るのが貴方で良かった」

可愛い彼女の笑顔が眩しすぎる。

窓の外のイルミネーションでも負けるくらいだ。

……俺、超幸せだな。