使え、と言って俺の口座にいつから貯めていたのか、100万円を何回かに分けて振り込んでくれていた親父。

親父なりに、応援はしてくれているようだ。

美冬のことも、親父はとっても気に入っている。

「頼りないかもしれないが、父親のように思って接してくれると嬉しい。

そうはいっても、いきなりは難しいだろう。

少しずつで構わないからな!

いつかちゃんと家族になれる日を、楽しみにしているよ!

こんな倅だが、宜しく頼むな、美冬ちゃん」

美冬にそう声を掛けている親父を、何度も見ている。

そんな、俺の親父への感謝を込めて、何か贈り物をしたい、と買い物をしたのが昨日だ。

俺を引っ張って駅チカのショッピングモールを何軒も回った。

行く先々で、かなり悩んでいた。

なかなか品物が決まらず、気晴らしにとカフェにて一息つくことの方が多かった。

かなり寒い環境も耐えられる手袋とネックウォーマーを購入し、俺の親父への直筆の手紙まで書いていた。

親父の職業を考慮した、かなりセンスのいいプレゼントだと思った。

息子の俺から渡すより、本人が直接渡したほうが、親父も喜ぶだろう。