『ありがとうな、親父。

そのうち、美冬と家行く。

美冬が、渡したいものがあるそうだ』

それだけ連絡を入れて、彼女の美冬を後ろから抱き寄せた。
彼女は、今俺の膝の上に乗っている。

「ぬくいなー。
人間カイロ、って感じ」

暖房は付いているが、とにかく外は寒い。

明日が期日のクリスマスマーケットやら、クリスマスイルミネーションはある。

しかし、寒いから外に出たくない、と彼女が言うので、家デートを提案したのだ。

せっかく、年明けからは決まった日以外学校には来なくて良いことになっている。

進路が決まったものの特権だ。

そんな中、無理矢理外に連れ出して風邪を引かせたくはない。

「美冬、早く一緒に住みたいな。

頼りないかもだけど。

時には喧嘩もするかもだけど、宜しくな」


俺は、年明けからテレビ局でカメラマンのアルバイトをする。

入れるときに、にはなるけれど。

よく親父にくっついて行っていた制作会社で、たまたま人手が足りないところを俺がサポートしたことがあった。

それがお眼鏡に叶ったようだ。

ちょうど募集していたところだったんだ、と言われた。

その場で履歴書を書くように言われたのには流石にビビったが。

経験を積むためと、お金を稼ぐため。

同棲するにあたり、やはり先立つ物は必要だ。