「おはよう、今日は遅かったな。」 「えっ……?」 確かに、今日は逃げるように降りてきたから なぁ。 桜也に言われて壁にかかるベージュ色のアナログ時計を見た。 「わっ、やば。」 今、時計は短い針が9近く、つまりもう9時少し前ということだ。 こんな遅くまで寝てたのなんて数年ぶりかもしれない。