……あんな行動をとる椛なんて、初めて見たか もしれない。 俺はさっきの彼女に触れられたときの意志の強さと言葉を思い出していた。 地元の伊炉里島にいたときからの幼馴染の椛は昔っからどちらかと言うとオドオドした大人しいタイプの子だった。 でも、仲良かった俺らの前ではよく笑って、なによりずば抜けて芸術や文章の才能があった。 ずっと、そんな彼女に憧れ、いつの間にかそれが恋愛感情に変わっていたんだ。