彼がいなくなって私は何度、彼が私の手からす
り抜けるように遠ざかっていく夢を見たのだろ
う?




それとも、何年経っても彼を忘れられない私はおかしいのだろうか?







「はぁ……、起きよ。」




彼の夢を見てしまったら二度寝なんてできるは
ずもなく、諦めて起きることにした。