コンコンッ
「椛〜?」
「うん?何?」
次の日の朝、部屋でゆっくりしていたら光杞が部屋をノックしてきた。
光杞が部屋に来るなんて珍しい……。
私が部屋のドアを開けると、光杞は出かけるの かセーターの上にカーディガンを羽織り、ロングスカートをはいていた。
「ほら、出かけるから早く準備しようー?」
ん…?
出かける……?
思わず首を傾げた。
「昨日、約束したじゃん?忘れた?」
……約束、
出かける……、
「あっ!やばっ…。ごめん、すぐ支度する!」
バッと昨日の記憶が蘇って、慌ててクローゼットを開けた。
やば…っ、普通に忘れてた……。
…久しぶりに光杞と出かけるのに何を忘れていたんだろう……?
「まぁ、いつもの服でいっか。」
私は黒いセーターにジーンズを履いて、ボアジャケットを着込んで外へ飛び出した。