『ねぇ……っ!待ってよ!ねぇ!』
私は、心の底から叫んだ。
それでも…、彼には聞こえない。
彼は私の声など聞こえないように私から遠ざか
っていく。
まるで……、私なんて知らないかのように。
届きそうだった距離も、あっという間に走って
も追いつかないくらいの距離が開いてしまっ
た。
『ねぇ…、何でなの…?』
私は息切れをしながら、呟く。
お願い……。
すべてを教えて……?
神さま…、もう1度だけでいいから。
私の前からどうして消えたのか、聞くだけでい
いから。
柚燈に会わせてください。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…