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それから四葉は左手を包帯でグルグル巻にして学校へ向かうことになった。
両親にはカッターナイフで少し切ったと嘘をついた。

「ちょっと四葉、昨日はどうしたの? 大丈夫だった?」
教室へ入るやいなや先に来ていた沙友理が心配そうに声をかけてきた。

「え?」
「あのフミキリを渡った後くらいからずーっとボーっとしてさ、話しかけても返事しなくなっちゃったじゃん」

「私が?」
四葉は驚いて自分を指差した。

「そうだよ。家まで帰ったのを見届けたから大丈夫だと思うけど」
後ろからそう言われて振り向くと瑠美も心配顔で立っていた。

「ちょっと待ってよ。昨日私は普通の家に帰ってたの?」
その質問にふたりは同時に頷いた。

「様子はおかしかったけど、家に入っていくのはちゃんと見たよ?」
沙友理の言葉に四葉は呆然としていまった。

そして昨日の出来事をふたりに話して聞かせはじめたのだった。