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大神様の探しものに付き合って何時間が経過しただろうか。
周囲は薄暗くなっていて、雑草をかき分けて探しものをするのが困難になってきた。

フミキリ付近に街灯はあるものの、その明かりだけでは心もとない。
それでも四葉は手を止めなかった。

自転車がなくなってしまうかもしれないという焦りが、四葉を突き動かしている。
「ない、ない。どこにもない」

雑草をかき分ける手はあちこちから血がにじみ、額にも汗が浮かんでいる。
制服も顔も汚れていたけれど、気にしている余裕はなかった。

「お願いだから出てきて。お願いだから」
懇願するように何度も呟き、地面に這いつくばって指を探す。

それでも見つけることができなくて、太陽は徐々に姿を消していく。
それを反比例するように月が輝き出したとき、四葉の肩を大神様が叩いた。