目の前に突如現れた女の子の容姿に四葉は絶句し、立ち尽くしてしまった。
沙友理から聞いた大神様の噂が一瞬にして思い出される。

大神様は指が一本ない。
大神様にお願いされると、それをきいてあげないといけない。

叶えることができなければ、翌日自分の大切なものを奪われてしまう。
「大神さま……」

立ち尽くした状態で四葉が呟く。
その途端、目の前にいた女の子が大きく目を見開いた。

濁った眼球がこぼれ落ちてしまいそうで四葉は後ずさりをした。
「お願い、私の大切なものを探して」

女の子がしわがれた、まるで魔女のような声で言った。
すぐ近くでカンカンと遮断器の音が鳴り続けている中、その声はしっかりと四葉に届いていた。

まるで直接脳に送り込まれてくるように感じられて身体が震えた。
「い、イヤァァァ!!」

ここにいちゃいけない。