「すみません! 誰かいませんか!?」
遮断器の音に負けないくらいの大声で呼ぶ。
沙友理も瑠美も、他の誰もいない。
ここは自分のよく知っているフミキリではないと、四葉はようやく気がついた。
なにが原因なのか、自分だけが違うフミキリに来てしまったのだと。
「どうしよう……」
下りたままの遮断器にまた手をかける。
向こう側へ行くことができれば元の世界に帰ることができるんじゃないかと、ふと脳裏をよぎった。
カンカンと不快に鳴り響くフミキリの音から少しでも遠ざかりたい。
そう考えた四葉は覚悟を決めて遮断器を押し上げた。
そして線路の中へ一歩踏み出そうとした、そのときだった。
トントン、と。
後ろから肩を叩かれてハッと息を飲んだ。
同時にこれはきっと沙友理か瑠美か、どちらかの手に決まっていると思って安堵した。
やっぱり、ふたりして私を怖がらせていたんだなと感じた。
それにしては本当に怖かった。
遮断器の音に負けないくらいの大声で呼ぶ。
沙友理も瑠美も、他の誰もいない。
ここは自分のよく知っているフミキリではないと、四葉はようやく気がついた。
なにが原因なのか、自分だけが違うフミキリに来てしまったのだと。
「どうしよう……」
下りたままの遮断器にまた手をかける。
向こう側へ行くことができれば元の世界に帰ることができるんじゃないかと、ふと脳裏をよぎった。
カンカンと不快に鳴り響くフミキリの音から少しでも遠ざかりたい。
そう考えた四葉は覚悟を決めて遮断器を押し上げた。
そして線路の中へ一歩踏み出そうとした、そのときだった。
トントン、と。
後ろから肩を叩かれてハッと息を飲んだ。
同時にこれはきっと沙友理か瑠美か、どちらかの手に決まっていると思って安堵した。
やっぱり、ふたりして私を怖がらせていたんだなと感じた。
それにしては本当に怖かった。