馬鹿みたいだ…
こんなに期待してたんだ、俺…
覚えてるワケ…ねぇじゃん。
…しかも、
このとき
溜息を紅がついたのがわかった。
…ダメだな、俺。
いきがって、損したな。
でも俺は、
泣かないように
強がった。
「溜息かよ~、酷いなぁ~」
笑って言った。
そのとき、
不安そうだった紅の顔が一瞬、パァッと
明るくなったように見えた。
―良かった。
///ヤバ、笑顔とか超ヤベぇ。
そうなるとまた、
デカい声で
名前を聞いてきた。
紅のことだから、『いい人』とでも
思ったんだろう。
人のこと…疑わないタイプだったからな。
「え…、小川?名前は?」
え…?
まじ?
ソコまできて、思い出せないのか~。
超ヘんだゎ。
「俺の名前は、隼人。
小川隼人(オガワ ハヤト)」
…わかるかな?