「も~いいから学校行こっ!」
「はぁ~い」
それからは、3人で仲良く登校。
―ガララララ
「おはよーっ」
私は凛香と同じクラス。
A=紅.凛香
B=優史
C=有咲
「あ…有咲?」
「あれっ?有咲じゃん」
今日は久々に、教室に有咲が来ていた。
すっごくムッソい顔で…。
「…凛香」
「どーしたのー?」
「…先輩…が、映画の帰りに…
好きな人へのプレゼントを選ぶの
手伝ってくれないかって…」
すごく深刻そうな顔で、
すごく泣きそうな顔で、
すごく不安そうな顔で、
訴えてきた。
…そー、だよね。
有咲は、バスケ部のエース…
“佐倉先輩”に恋心を、
入学式の日から抱いていた。
常に先輩の周りには、女の先輩方がいて…
近づけそうもなかった。
でも、ある日――――
パスされたボールの裏に、
メモ用紙が張ってあったらしい。