茜と、殺しあうのか。

漠然と、そんな事を考える。

昨日までは、俺がグリフォンの護衛任務に就いた事を我が事のように喜んでくれていた茜。

しかし今は敵。

俺を背後から撃ち、袂を分かち、ミハエル・レイカーと共に基地を去っていった敵だ。

次に戦場で会う時は、アイツは俺を本気で殺しに来るだろう。

恋人の命を奪った仇として。

「……」

正直胸中は複雑だ。

何故アイツと殺し合わねばならないのか。

確かに結果として、俺はアイツの恋人を殺した。

だが…。

「…ふふっ」

考えあぐねて、思わず苦笑する。

馬鹿みたいな話だった。