私は歯噛みする。

冷静な判断が出来ていない。

ここで攻撃を中止するのは当然の判断だろう。

しかし、真紅郎への殺意を抑えきれない。

彼は、ラルフの仇…!

だがこのまま攻撃を続ければ、私は敵としてグリフォンの艦砲射撃で撃墜される。

「っ…!」

コクピットで苦渋の決断に迫られる私。

そんな私に。

「そこのソルジャーカスタムのパイロット!」

ドラグーン…ミハエル・レイカーからの通信が入った。

「私に続け!この場から離脱する」

「え…!?」

私は戸惑う。

「ラルフの…恋人の仇を討ちたいのだろう。ならば目的は私と同じだ。本懐を遂げたいのならば共に来い。その為の『力』を与えてやる」

「……」

チラリと。

メインモニターに映るMk―Ⅱを見る。

迷いはあった。

だけど。

「来い!」

レイカーの言葉に。

私はスラスターを吹かし、ホバー走行で彼のドラグーンの後に続いた。