不意打ちを背部スラスターに受けて失速、その上機体の体勢を立て直せていない。

その状態で私の射撃を受け、Mk―Ⅱは為す術もなく被弾する。

私の機体が装備しているマシンガンの弾丸は、口径が小さい。

数発当てた程度ではAMを爆発させるまでには至らない。

集弾率の高さで敵機を撃墜させるタイプの火器だ。

故にMk―Ⅱを撃墜するには、もっと弾丸を命中させなければならない。

「くっ…あ…茜…ぐぅ!」

通信機から聞こえる、真紅郎の苦しげな声。

「……!」

殺意に駆られているとはいえ、同僚のその苦悶の声は、私のトリガーを引く指を鈍らせる。

と。

「!!」

そこへ艦砲射撃が放たれる。

グリフォンからの援護射撃だった。

「白金茜!すぐにソルジャーMk―Ⅱへの攻撃を中止しろ!」

通信機から、宗方泰山艦長の声が聞こえた。

「中止しない場合は、敵機としての撃墜も辞さない!」