暁の死神。

その異名を持つのは、国連軍第78AM大隊所属のエースパイロット、ミハエル・レイカー少佐か!

ある武装テロ組織壊滅作戦の際に単機で敵アジトに突入し、夜が明ける前のたった十五分で20機もの敵機を撃墜したという伝説を持つ男。

まさかそんな男が、コンロット社にいるとは…!

「一度は戦場から身を引いたのだがな…ラルフの死を機に戻ってきたのだよ…貴様を墜とす為にな!Mk―Ⅱのパイロット!」

またもビームマシンガンの連射!

こちらは航空性能を持ち、射程も明らかに上だというのに、反撃する暇も接近する暇も与えないとは。

流石は暁の死神。

付け入る隙を与えない。

だが。

「もう少しだ…もう少しで」

俺はコクピット計器類の中の一つ、出力ゲージを一瞥する。

回避運動しつつ、俺はハイバスターランチャーの出力設定を変更していた。

60%。

この出力ならば、どこに命中させてもAMを撃墜する事ができる。

量より質で勝負だ。

この一撃に賭ける…!