油断をすれば墜とされるのはこちらの方だ。

俺は機体を小刻みにコントロールしつつ、コクピット内で通信機を操作する。

周波数を公用のものに。

「聞こえるか、ドラグーンのパイロット!」

俺は敵機に呼びかける。

「貴様らの目的は何だ!何故この基地を狙う!?」

その言葉に。

「不正を正す…それが私の目的だ」

強い意志のこもった声が響く。

「更に言えば」

ドラグーンは加速した。

「私の教え子の仇も、あわよくば討ちたいと思っているのだよ、Mk―Ⅱのパイロット!」

ドラグーンのビームマシンガンが唸りを上げる。

少しずつ着弾点をずらした、熟練者ならではの攻撃。

これを、高い集中力を維持して的確に回避運動をとる。

「やるじゃないか!」

どこか嬉しげに、ドラグーンのパイロットが言った。

「この『暁の死神』の攻撃を、よくぞここまでしのぎ切る!感動を禁じ得んよ、私は!」

「!」