部下の操る二機のドラグーンも射撃を敢行するものの、Mk―Ⅱは変則的な動きで空中を駆け抜け、ことごとく回避する。

動きが止まったと思えば急激に上昇、かと思えば小刻みに急降下、停止、旋回。

こちらに回避パターンを掴ませない。

「ええい、チョロチョロと」

こう見えても私は『暁の死神』と呼ばれ、国連軍撃墜スコアの上位に記録を残しているのだが、その私をもここまで翻弄するとは。

あのパイロット、相当やる…!

そんな考えを巡らせているうちに。

「!」

Mk―Ⅱの握る長尺のビームキャノン砲が火を噴き、部下のドラグーンを一機撃ち抜く!

「レイモンド!」

私の通信での呼びかけに応える事もなく。

一機のドラグーンが爆発した。

更にMk―Ⅱは腰部に装備した対機動装甲用実体剣を抜く。

あれが帝重工が開発した、『コテツブレード』か!

目を見張っているうちに、もう一機のドラグーンの胴部が寸断される!

そのドラグーンもまた、爆発の炎に包まれた。