前方の駐機場に停泊しているグリフォンから、一機のAMが出撃するのが見えた。

機体照合。

AM-001-2 ソルジャーMk―Ⅱ。

間違いない。

ラルフを撃墜したという機体だ。

「全機散開、敵機を迎え撃つ」

私の指示で、三機のドラグーンが散る。

ドラグーンは航空性能はないものの、地上での運動性能は高い。

たとえマッハに近い速度で飛行するMk―Ⅱとて、そうそうたやすく捕捉する事は出来ない筈だ。

私はドラグーンの右手に握らせたビームマシンガンを構える。

ヘルメットと連動した精密照準器の照星がせわしなく揺れる。

成程、いい動きだ。

一所に止まらない辺り、対射撃戦闘に慣れている。

私はコクピット内でトリガーを引くものの。

「ちっ」

放たれたビームの弾丸は、かすめる事もなく空を切った。