納得がいかなかった。

スペックはソルジャーに何一つ劣っていないドラグーンの、何が問題があったのか。

…コンロット社の開発陣はすぐに思い至る。

このトライアルは出来レースだったのだと。

名目上はトライアルだったものの、既に国連軍と帝重工の間で話はついていたのではないかと。

恐らくは、金で。

帝重工は次期主力機の座を奪い取ったのではないか。

…だから、私が雇われた。

元国連軍第78AM大隊所属パイロットである、このミハエル・レイカーが。

私は汚いやり口を何よりも嫌う。

金で正当な評価を覆すような連中など言語道断だ。

そして、帝重工は部下の仇でもある。

ラルフ・アシュフォード。

私が手塩にかけて育て上げたパイロット。

先日の作戦の途中で、この評価試験基地のソルジャーMk―Ⅱに撃墜されたという。

…見逃す訳にはいくまい。