コンロット・エンタープライゼス社。

帝重工に次ぐ、世界第二位のAM開発製造メーカー。

二位とはいえ、そのシェアは帝重工に大きく水を開けられている。

その差を縮める為に、コンロット社の開発陣が総力を結集して開発したのが、私が今乗っている機体。

CAM-001 ドラグーン。

『竜騎兵』の名を持つ人型機動兵器だ。

その特徴は汎用性の高さ、そしてメインカメラとなっている単眼。

発光する一つ目が、頭部の中心でせわしなく作動していた。

その単眼は頭部の前後左右を自由自在に動かす事ができ、これによって機体が正面を向いたままでも背後の敵の接近を視認する事が出来る。

勿論メインカメラだけではなく、機体性能そのものも帝重工のソルジャーシリーズにひけは取らない。

まさしくコンロット社の最高傑作機。

半年前、コンロット社は満を持してこの機体を国連軍の次期主力機トライアルに出した。

生産コストも、スペックも。

何一つ、ソルジャーには負けていない。

しかし。

国連軍の次期主力機は、帝重工のソルジャーカスタムに決定した。