素早くパイロットスーツに着替え、俺はAMデッキのMk―Ⅱのコクピットに身を滑り込ませる。

「オペレーター、詳細は!?」

コクピットのイグニッションスイッチを押し込みながら、俺は通信モニターを見た。

「地上をホバー走行するAMを三機確認。機体照合しましたが、該当はありません。未確認機と思われます」

「アンノウンか」

コクピット内の計器類を手早く確認しながら、俺は舌打ちした。

…Mk―Ⅱのジェネレーターが規定回転域にまで上昇する。

同時にオペレーターが通信で指示を出す。

「ソルジャーMk―Ⅱ、カタパルトデッキへとスタンバイして下さい」

この指示で、俺はMk―Ⅱを歩かせる。

カタパルトデッキ。

AMが出撃する為のリニアカタパルトシステムが設置された滑走路のようなものだ。

俺は機体の脚部をリニアカタパルトにドッキングさせる。

「カタパルトスタンバイ。出撃タイミングをMk―Ⅱに譲渡」

オペレーターの声で、俺はコクピットのメインレバーを握り締めた。

「I have control。帝真紅郎、ソルジャーMk―Ⅱ出る!」

リニアカタパルトが凄まじいGと共に機体を加速させ、弾丸のように射出する!

俺はその加速を殺さぬようにタイミングを合わせてMk―Ⅱのスラスターを吹かした。

空を翔るMk―Ⅱ。

いよいよグリフォンの護衛任務開始だ。