そんなことを考えたら辟易した。

ほんと、モテるのも大変だ。

自分の容姿にやれやれ、とため息を着きながら隣の家のチャイムを押す。

数秒後、出てきた女に僕は目を見張った。

こいつ…っ、、

僕を1ミリも見なかったあの不届き者だ。

まぁ、いい。

少々気分を害したが、僕は超絶かっこいい笑顔を仮面の如く顔面に張りつけた。

「こんにちは。突然すみま────」

一瞬。

ストーカーどころか
露出魔かと思って焦った。

なんせ目に入ったのは少々奇抜な柄のブラだ。

僕にしては珍しく、軽く怯み思わず持っていた紙袋を落としてしまった。

その一方で自身の格好を理解した本人はバタバタと1度部屋に戻り、また玄関先にやって来た。

あぁ、なんだ。

おっちょこちょいか?

結構かわいいですね。

「あはは、喜んで頂けたようで何よりです。これからお世話になります。先輩」

さすがは母のチョイスだ。

パッチリとした目を輝かせてニヤニヤ、とさせる隣人。

どうやら粗品は隣人に大ウケだった様子。

しかしこの女…今まで僕があってきた女に比べて心のガードがかなり硬い。

目も合った。

そしてこれでもかと優しい笑みを向けてあげた。

いつもみたく甘い微笑みと共に先輩を見つめてあげた。

なのに全然なびかない。

なんでだ?

こんなにかっこいい男が隣人ですよ?