「ほんと!?」

「うん! もちろん」

そういうの他力本願っていうの。知らないのかな。

「あ、ごめん…充電切れだ……。またでいいかな?」

「あぁ〜、そっか……、うん! 引き止めてごめん! ありがとね!」

「いえいえ、ごめんね? じゃあまた」

顔の前で手を合わせすごく申し訳なさそうに眉を下げてみる。

もちろん申し訳ない気持ちなどこれっぽっちもない。

「それにしても今日もすごかったなー」

学校の外に出て涼太が伸びをしながら僕の人気具合に感心する。

「あれ? でもなんか不服そう?」

焦げ茶の髪を揺らしながら僕の顔を覗き込んでくる涼太。

どうやら僕は不機嫌そのものが全面的に顔に出てしまっていたらしい。

不服と言えば不服だ。もっと言えば気分が悪い。

「1ミリも僕を見てなかった女がいた。こんなにかっこいいのになぜ見ない?」

「あぁ、なるほど。そゆことね」

納得した様子の涼太は「お前は常に1番じゃないと気が済まないタチだからなぁ」と困ったように頷いた。

「男に興味ないんじゃね?」

「興味がない?」

意味が分からなかった。

女は誰しも男にシッポを振って追い求めるもの。

僕みたいな爽やかイケメンなら尚更だろ?

例外がいるのか?

「まぁ、そういう人もいるだろ」