「一生このまま…、先輩は……僕だけの…もの……」

ーースースー……

「えっ?」

バクバクうるさいであろう心臓付近に顔を埋めた葵くんの長いまつ毛が、まるで電池が切れたかのようにそっと伏せられる。

「ちょっ……、」

ーースースー……

え、まさかこの男……









寝た……………………!?!?




私の谷間にすっぽりと収まって熟睡中の葵くんの目元に前髪がサラ…、とかかる。

規則正しい寝息を立てて無防備に眠りにつく寝顔は子犬みたいでさっきまでの横暴ぶりが嘘みたいだ。

しかし私の頭はパニック状態。

目がグルグルと回っていくばかりだ……。

なん…だったの……今の……。

てかこの状況で寝る…!?

ーースースー……

でもなんか……可愛い、かも??

寝てれば……だけど。

いつの間にか葵くんの寝顔に釘付けになっていた自分に気づき、急いで頭を振った。

可愛くなんてない! こいつはクズ男!

言い聞かせるように心の中で唱え起き上がろうと身をよじる。

しかし…

手首が拘束され…&胸の上で葵くんが熟睡中

というまさにがんじがらめの状況下に今自分が置かれていることを改めて思い知る。



あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!もう!


せめてこれ解いてから寝てよーーーー!!