やがて女の子みたいな長いまつ毛がそっと伏せられ張り詰めた糸が切れたみたいに葵くんの乾いた笑い声が降ってくる。

今度は何よ、と目を見張ると…

「すみません。やりすぎましたね」

そう言って自身の目尻に浮かぶ涙を人差し指で拭った。

よっぽと私のあたふたぶりがお気に召したらしい。

涙が出るほど笑われてしまうなんて私も舐められたものだ。

といっても私があの時…………、

‪”‬パンダ柄‪”‬

のブラジャーを見られてしまう、というとんでもない大失態を犯したのが悪いんだろう。

「でもこれから先輩は僕のもの(おもちゃ)です」

あぁ…新学期早々、

ホントついてない……。

不敵な笑みを向ける葵くんに……

私は無理矢理作った笑顔を向けるしかなかった。