「そんなちっせぇ体で全部背負い込むな。人は1人じゃ生きていけねぇ。困ったことがあるなら言え。助けて欲しい時は、大きな声で助けてって言え。そしたら必ず、俺が助けに行ってやるから。」


「·····最近·····夢を見るの。あの時一緒に閉じ込められてた女の子の夢を。」

「っそうか·····」

「私だけ助かったから、怒ってる。まだ私よりも小さかったのに。家族に·····会いたがってた。·····えみちゃんは1人じゃなかった。私は幸せになっちゃダメ。」


「俺は、その子がもものことを生かしてくれたんだと思うぞ。」

「え·····?」

「その子の分まで、ももが幸せになればいい。
ももは幸せになっちゃいけなくなんかない。
幸せになっていい。笑っていい。泣いていい。怒っていい。わがまま言っていい。
それで俺たちもその子も怒ったりしない。
むしろ嬉しいから。」