その頃、2人は大きく目を開いて全く動かなかった。

「あ、あ、黒瀬……くん」

え……?

黒瀬くん?

まさか目の前の人物が黒瀬くんだなんて。

確かにイメージ通り、すごくかっこよくてモテそう。

「……」

何も言わずにただこちらを見つめている。

ふと彼の目を見た時、彼と目が合った……ような気がした。

そして帰ると思いきや、私たちの方へ歩いてくる。

奈津ちゃんと結愛ちゃんが顔を真っ赤にしながら、ただ呆然と見つめていた。