「では〜、行ってらっしゃ〜い!!」

「ひっ……」

ジェットコースター特有の、店員さんから見送られる「行ってらっしゃい」。

ガガガッ、とジェットコースターが登る音が聞こえて、座席が斜めになった。

もうやだっ……!!

お化け屋敷よりも苦手なのに!!

「手」

「……?」

「手、繋いどく?そうしたら手に意識が行って怖くないかも」

た、しかに。

ぷるぷると震える手を伸ばし、高崎くんの手を握った。

怖いとかもう関係ない。

とにかく今は登っていくジェットコースターが何よりも怖いからっ……!!