自分から男の子に触れたのは初めてかもしれない。

なんてその時の私は思っていなかったのだけど。

強引に腕を引っ張って歩いていると、グシャッと何か固いものが潰れるような音がした。

そして冷たい水飛沫が顔に飛んでくる。

「ひっ、ひゃああっ」

思わず高い悲鳴を出す。

まさかゾンビの頭が潰れたとか無いよね。

ってそんなこと考えたらもっと怖くなってくるから、絶対考えるな私~……。

なのに嫌な考えは広がっていくばかり。

さっき飛んできた水飛沫って、血飛沫とかじゃ……。

「ぎゃぁっ」

「美優ちゃん!?今何も無かったよ!?」

「そ、想像しちゃって……」

想像するだけでこんな叫んじゃうなんて。