とにかく今のはこんにゃくだったんだ。

ただのこんにゃくだから大丈夫、と自分に言い聞かせて歩き始めた。

と思った矢先、私と高崎くんは同時に柔らかい何かを踏みつけた。

ぐしゃり、と滲むような音がして少しびくっとする。

多分驚かすための小さな仕掛けだろうけど……それでも無音の空間でこんな音が響いたら、怖いに決まっている。

「今踏んだのなんだろうね?もしかしたらゾンビの頭だったり……」

「高崎くん……怖いこと言わないで……?」

「でも今のはほんとだよ」

「とにかく早く出たいのっ……!!」

こんなに怖いところ早く出たい!!

恐怖心でどうにかなりそうな私は高崎くんの腕を握った。