「うっ、ぐすっ……」
「いくらなんでも泣きすぎだろ……」
「だ、だって……怖かったんだもん……」
頑張って涙を止めようとしても、さっきの恐怖はなかなか収まらなくて、涙も止まらない。
というか、余計酷くなっている。ような気がする。
「はぁ……まさかホラーが苦手だったとは……」
申し訳なさそうにそう言って、ほら、と差ハンカチを差し出してくれて、気まずさで視線を逸らしながら受け取る。
あの後、映画館に移動したものの、私は特に見たいものがあったわけじゃないから千秋くんのセンスに任せたんだけど、まさかの私が唯一苦手なホラーを選ばれて、苦手だと言えないまま今に至る。
「ご、ごめんねっ……」
周りには人がいるし、早く泣き止もうと目を擦ろうとすると、横から千秋くんの手が伸びてきて、止められる。
「ハンカチ、貸してやったろ。使えよ」
「だ、だって、汚れちゃう……」
「そんなんいいから、ほら」
「……んっ」
半ば強引に手を引かれ、千秋くんが優しく涙を拭いてくれる。
「ごめん、洗って返すね」
「いいし、自分で洗えるから」
「いくらなんでも泣きすぎだろ……」
「だ、だって……怖かったんだもん……」
頑張って涙を止めようとしても、さっきの恐怖はなかなか収まらなくて、涙も止まらない。
というか、余計酷くなっている。ような気がする。
「はぁ……まさかホラーが苦手だったとは……」
申し訳なさそうにそう言って、ほら、と差ハンカチを差し出してくれて、気まずさで視線を逸らしながら受け取る。
あの後、映画館に移動したものの、私は特に見たいものがあったわけじゃないから千秋くんのセンスに任せたんだけど、まさかの私が唯一苦手なホラーを選ばれて、苦手だと言えないまま今に至る。
「ご、ごめんねっ……」
周りには人がいるし、早く泣き止もうと目を擦ろうとすると、横から千秋くんの手が伸びてきて、止められる。
「ハンカチ、貸してやったろ。使えよ」
「だ、だって、汚れちゃう……」
「そんなんいいから、ほら」
「……んっ」
半ば強引に手を引かれ、千秋くんが優しく涙を拭いてくれる。
「ごめん、洗って返すね」
「いいし、自分で洗えるから」



