裏表が激しい生徒会長に目をつけられてしまいました

「なんでここに呼ばれたかわかってるよな?」

「……はい」

壁と会長に挟まれて、いわゆる壁ドン状態。

ほとんどの女の子は羨ましがるかもしれないけど、私は例外。

……というか、この状況なら誰でも嫌か。

早く解放してほしい。

「はぁ……やっぱり昨日のはお前か……」

私の答えに、会長はやっと壁から手を離してくれて、壁ドン状態から解放される。

「そうですけど、なにか?」

私が少しも否定することなくそう答えると、会長は少し驚いたように固まった後、またこめかみに手を当てて深いため息をついた。

……それをしたいのは私なんだけどな。

       +   +   +

昨日の放課後、私は先生に呼び出しを受けてしまい、帰るのが遅くなってしまった。

「まったく……日誌くらい少し適当に書いてもいいじゃん……」

誰にも届くことのない愚痴を小声で言いながら、時間短縮をしようと中庭を突っ切ろうとすると、男の人の叫び声が聞こえて来て、反射的に柱の陰に隠れる。

「あーっ、くそ。マジうぜぇ……」