「この記録は12月29日の15時23分で終わっています。ここで、弁護側はこの尋問を担当していた赤城会の男性の証人尋問を要求します」


「受理します」




 えっ、赤城会がボイスレコーダーを提供したのは聞いてたけど、当事者も出してきたの…!?

 びっくりしながら、あのときの男が証言台に座るのを見る。


 赤城会は、本当に…雷牙を、会長の孫を助けるために、犠牲を(いと)わないつもりなんだ。


 私を誘拐・監禁していた側の証言が得られると、私の証言の信ぴょう性も同時に上がっていった。

 最後に尋問を受けるのは、被告人である雷牙自身。




「被告人は12月29日の夕方から夜にかけて、どんな行動をとりましたか?」