今まで言われたことのない言葉だ。

「透明感のある綺麗な声」とか「心癒すピュアヴォイス」という表現はよくされてきたけど。

「鈴原さんは低音から高音まで幅広い音域で歌えるだけでなく、歌い方や声のバリエーションに富んでいる。まさに七色の声を持っている、と私は感じたんです」

佐伯さんの言葉はとてもわかりやすく、納得のいくものだった。

確かに、私は曲の雰囲気や曲調によって発声の仕方や声音を変えて、よりその曲が持つ世界観にふさわしくなるように歌っている。

それは、私が歌う上でとても大切にしていることであり、こだわっていること。

それをしっかり理解してもらったうえで考えてくれた言葉なんだ。

「ありがとうございます。とても素敵なキャッチコピーだと思います」

シンプルだけど深い意味があって、私を的確に表現してくれている言葉だと思う。

「CMのオンエア開始日は6月1日なので、それに合せてレコーディングのスケジュールを調整して頂ければと思います」

「わかりました」